トゥルーズの運河
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秋が逝ってしまったらしい。名残りの落ち葉を遺して。トウルーズ郊外の運河沿いの小径。あてどなく歩く。想い出や懐かしい人たちとの無言の対話とセットで歩く。ときには記憶の重さに体が支えかねて蹲りたくなるときもある。生まれたての冬の日差しは幽かで枯れ枝の隙間から斑な蔭を落としている。一陣の風が立った。運河の水面に細かな細かな光が乱舞する。空間と時間の壁を自在に往還するミニロボットが実用化されたら面白い。巡りくる季節は忘れず痛みや悔いをちゃんと人に配達してくれる。風は優しく木々を揺らして運河に小さなさざ波を遺して何事もなかったように去っていった。あたりは少し彩度を落とし始めた。フランスの南西部にいるという現実に立ち戻った。 |
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